日本語の起源については、これまでアルタイ諸語起源、高句麗語同系、朝鮮語同系(以上北方系)、オーストロネシア語起源、アルタイ・オーストロネシア混合言語、タミル語起源説(以上南方系)などが唱えられてきたが、定説と言えるものはまだない。
概ね共通理解に至っているのは、日本語に南方系言語と北方系言語の特徴を併せ持つこと、文法は北方系、特にアルタイ諸語の一つツングース諸語との類似性が高く、基礎語彙(身体名称や基本動作、自然物など普遍性の高い対象を表現し変化しにくいと考えられている語彙)は南方系との類似性が高いということぐらいだ。
上記各言語を現在使用している地域・民族および歴史上使用していた可能性が考えられている民族・国家は以下。(参考:現在の語族分布リンク)
■オーストロネシア語
現在のインドネシア、ジャワ、ポリネシア、フィジー等の言語。但し、台湾原住民語が祖語に最も近いとされ、中国南部地域に起源を持ち、台湾を経由して南下していった言語と考えられている。
■アルタイ諸語
西〜中央〜北アジアに分布する言語グループ。ツングース諸語、モンゴル諸語、テュルク諸語の3つがあり、主語→目的語→述語の語順や膠着語リンクであること、語頭にRを使わないことなどが日本語と共通している。
(各言語の概要)
【ツングース諸語】満州〜北東アジアに住むツングース族(満州民族・オロチョン族・ナナイ族など)の言語。ツングースと考えられている代表的な歴史上の国家は、粛愼 (みしはせ)・悒婁(ゆうろう)・勿吉(もつきつ)・靺鞨(まっかつ)・女真(じょしん)。
【モンゴル諸語】現在のモンゴル人・ブリヤート人。歴史的には鮮卑・烏桓・柔然・匈奴(フン族)?。
【テュルク諸語】現在のトルコ〜中央アジア〜シベリアの広い範囲で話される語群。中央アジア・モンゴル高原〜シベリア起源とされる。歴史上は丁零(ていれい)・突厥(とっけつ)・ウイグル・匈奴(フン族)?。
■高句麗語
ツングース系とされる歴史上の国家のうち、主に高句麗で話されていたとされる言語(現在は消滅)。扶餘(ふよ)高句麗・沃沮(よくそ)・穢(わい)・百済の支配層の言語は同系とされる。
■朝鮮語(古朝鮮語)
三韓及び百済の被支配層、新羅語(現朝鮮語の直系祖語にあたる)。
■タミル語
インド南部のドラヴィダ語族の一派。日本語と語彙の共通性が高いとされる(大野晋)が、その分析方法への批判も多い。また、ドラヴィダ語の権威とされるユトレヒト大学のズヴェレビル教授は、ドラヴィダ語が5千年以上前の中東〜地中海起源であり、北方のアルタイ諸語とも類縁関係にある可能性を示唆している。リンク |
|